
白神山地は、青森県と秋田県にまたがる約13万haに及ぶ広大な山岳地帯です。人為の影響をほとんど受けていないブナの原生林とその生態系が世界的に評価され、平成5年(1993)、中心部の1万6,971haが世界遺産に登録されました。このうち1万2,627haが青森県側で、東は西目屋村、西は深浦町、北は鰺ヶ沢町にまたがっています。
天然のブナ林が世界最大級の規模で分布する白神山地は、降水の貯留、河川への流水量の平準化、水質浄化、地表侵食防止などの自然機能が高いのも特徴の一つ。大川、暗門川、赤石川、追良瀬川、笹内川などの源となっています。また、地質は約9,000万年前にできた花崗岩を基盤とした堆積岩と貫入岩類で、深い谷が入り組んでいるため急傾斜が多く、落差の大きな滝も点在しています。豊かな水源として、優れた景勝地として、そして世界遺産として大きな存在感を誇っています。
白神山地に広がるブナ林には、ミズナラ群落、サワグルミ群落など、たくさんの植物が生育しています。その中には動物のエサとなる植物が多く、ツキノワグマ、ニホンザル、クマゲラ、イヌワシなど、他の森林に比較して多様な動物も生息。降雨はそうした動植物を育みながら谷川、海へと滲出し、再び山地に恵みを与えます。こうした生命の循環を目の当たりにすることは、自然保護・環境保全の意識を高め、林業の将来、地球温暖化問題、循環型社会などを考えるきっかけを導き出すことができます。
西目屋村、深浦町岩崎地区、鰺ヶ沢町には、それぞれトレッキングコースが設けられており、ガイド団体も多数あります。参加者の体力や人数、時間や天候など、様々な条件に応じたコース設定が可能です。ブナの天然林の静けさに浸りながら、自然の神秘や偉大さを感じるトレッキングは、生命の尊さを学ぶ機会となります。




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